くんたん製造機

分類
ノ内試工
工期
  • 令和四年夏
素材
  • 亜鉛鉄板
依頼主
  • 個人

製作依頼主が本機で生成したもみ殻くん炭を令和四年度いかるがマルシェにてつくる暮らしの会という斑鳩町協働まちづくり提案事業の出店ブースで販売されました。その際に設置された本機の広報ポスターから本文を引用させていただきます。

以下、引用。

農業に限らず高品質なものを作るに際して、あり合わせの資材で事足りるのであればそれに越したことはないだろう。さらにそれが自給資材であれば尚のこと良い。刈草や枯れた竹、藁やもみ殻などは手近な資材として古く使用されてきた。草木灰や籾殻くん炭を耕土に混入させることは良作のミソでもあった。一方近来、農作業としての野焼きが嫌遠されている向きがある。火の始末に骨を折ったり、住宅地と農地が近接してきたことによる、周辺地域への配慮が主な悩みとなっている。農家による火入れは法的には認められているものの、現実にはそれだけでは自他共に諒解できないでいる。

であれば、火の元の心配がなく煙の僅少な迂回策をと、試作したのが本機。目下、もみ殻くん炭と竹炭を作った。ドラム缶や保米缶を流用した作例は数多くある中で、さらに欲張り、組み立て式で場所を取らずに収まる収納性を考慮した。機械製作には「吉康板金工作所」並び、もみ殻や竹の提供には「北庄の農家さん・近隣住民の皆さん」に惜しまぬご協力を賜った。

火の元の安全、水を使わぬ鎮火の容易さなど実現できたことは多くあれども、本年(令和四年)九月に初めて火を吹いた本機は、彼岸の問題解決には至らず、逞しく煙を出し続けている。機械だけに止まらず文字通り寝る間も忘れて制作いただいた吉村さんご協力のもみ殻くん炭は、近隣の農家さんにもお墨付きいただきましたが、煙を出さない(厳密には二次利用する)機能は、漸次追加予定と相成りました。

もみ殻くん炭の用途

露地栽培、鉢植え、養苗の培土に利用できる。土に混ぜたり、用土の上に数㌢敷いたりする。以下の効果が発見されている。

  • 根や形態上の健康な成長 ( ケイ酸 )
  • 保水性を兼ねた通気性 ( 多孔質 )
  • 防寒 ( 黒いマルチング )
  • 有用微生物の増加ならび病原菌への免疫増加 ( 炭を好む細菌の棲家になり、他の植物病原菌の増殖を抑える )

参考図書
『現代農業 平成三十年一月号』 農文協
『本物の野菜つくり』 藤井平司 農文協 ( 一九七五年 )

引用おわり。

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